現場で活かせる 『健康コラム 』

現場で活かせる 『健康コラム 』 一覧へ

管理栄養士がお届けする健康コラム
第58回健康コラム アミノ酸の話~スポーツとアミノ酸~
アミノ酸は体の構成成分としての働きだけでなく、医薬品の化学構造にも導入されていますよね。 その代表格はインスリン製剤です。
たとえばインスリングラルギンは、ヒトインスリンA鎖Asn(21)をGlyさらに変換し、さらにB鎖Thr(30)にArg(31)-Arg(32)を導入した構造となっており、このことによって持効性を導き出しています。
アミノ酸構造
またGLP-1agonist活性を有しており、糖尿病薬として使用されているバイエッタ(エキセナチド)もペプチド医薬の例です。バイエッタはアミノ酸39個で構成されたGLP-1化学修飾体であり、DPP-4作用部位であるGLP-1のAla部位をGlyに変換することによってDPP-4に抵抗性を持たせています。
ただこれらのペプチド医薬品は、内服では効果が発揮できないので、どうしても注射薬としての使用となります。もしペプチド体で内服が可能の医薬品ができたら素晴らしいですね!!


1
体の構成成分としてのアミノ酸

私たちの体の生命活動に必要なタンパク質は、約20種類のアミノ酸でできています。筋肉、臓器、皮膚や髪だけではなく、体内の代謝を触媒する酵素、調節機能をつかさどるホルモン等、様々なところに存在し、身体にとって重要な役割を果たしています。
20種類のアミノ酸のうち、体内で合成されないために食物から摂取する必要がある9種類を必須アミノ酸、それ以外を非必須アミノ酸といいます。

表 タンパク質を構成するアミノ酸
必須アミノ酸 バリン・ロイシン・イソロイシン・リジン・スレオニン・ トリプトファン・ヒスチジン・フェニルアラニン・メチオニン
非必須アミノ酸 アスパラギン・アスパラギン酸・アラニン・アルギニン・グリシン・システイン・セリン・グルタミン・グルタミン酸・チロシン・プロリン

必須アミノ酸のうち、枝分かれしたような分子構造を持つバリン・ロイシン・イソロイシンの3つを総称して分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid:BCAA)といいます。分岐鎖アミノ酸は、他のアミノ酸と異なり主として筋肉で分解され、運動時等に重要な筋肉でのエネルギーとなっています。このため、スポーツ栄養の分野で以前から注目されているアミノ酸です。

2
筋肉とアミノ酸
身体の中でタンパク質・アミノ酸を最も多く含む臓器は筋肉で、一般的に体重の40%とされています。
運動は筋肉の組織に損傷を与え、その損傷は筋タンパク質の分解を伴います。しかし20種類全てのアミノ酸が分解されるわけではありません。多くが肝臓で分解されるのに対し、筋肉で分解されるアミノ酸は6種類(BCAAの3種・アスパラギン酸・アラニン・グルタミン酸)と言われています。
この中でBCAAは、体内で合成されない必須アミノ酸であるにもかかわらず、筋肉でよく分解されているというわけです。最近増えているスポーツ系サプリメントや飲料に、BCAAが使われたものが多い理由のひとつだと思います。
3
スポーツとアミノ酸
スポーツ(運動)によって筋組織は損傷を受け、運動後、その修復のために体内ではタンパク質・アミノ酸の利用が高まります。一般にタンパク源はバランスよく食事ができていれば不足する事はありませんが、運動時や体作りのために不足する場合には、市販のサプリメント等で補うことも効果的です。ただし過剰なタンパク質は主に脂肪となって蓄積されますので、運動は必須です。
ポイント
【アミノ酸でらくらくダイエット!?】
アミノ酸の様々な生理作用が注目される中で、脂肪燃焼促進効果を期待した商品も多く出回っています。
その仕組みは、アミノ酸が直接的に脂肪を燃焼するというより、「アミノ酸代謝の歯車と、脂肪酸代謝の歯車が連動して回っている」というイメージです。運動によってアミノ酸や脂肪酸代謝の歯車が回り、その結果、脂肪燃焼も期待できるのです。アミノ酸はその歯車を効率よく回すための役割です。
つまり、重要なのは運動!

これはアミノ酸に限った事ではありませんが、中には「飲むだけで痩せる」と誤解してしまいそうな表現をした商品もあるようですので注意が必要ですね。

BCAA等のアミノ酸を摂取することで、筋肉作り・筋肉消耗の低減・疲労の予防と回復等が期待できます。運動前にアミノ酸、運動後は食事等からタンパク質と糖質を同時に摂取するとより効果的な体作りができると言われています。運動後の食事に良質のタンパク質を取り入れる等の工夫をしてみると良いですね。

編集 2016年11月 東邦薬品株式会社 医薬人材開発部 管理栄養士チーム ・ ファーマジョイ東海

薬剤師の転職・求人を完全サポート

あなたに合う求人が見つからない場合は、薬剤師専門のコンサルタントが、非公開求人を含めて転職活動をサポートします。

登録はこちら

お知らせ

一覧を見る

2017年06月25日

愛知学院大学だからできる医師から学ぶ~ 初心者のための在宅医療とフィジカルアセスメント

 毎年恒例となっています。愛知学院大学卒後教育セミナーのお知らせです。  このセミナーでは、薬学部の医師・薬剤師の先生方から基礎からのフィジカルアセスメントを実習形式で教えていただけます。イチから学べる貴重な機会ですので、「フィジカルアセスメントの経験が無い」、「少しずつ取り組んでいるけど不安がある」みなさま是非ご参加下さい!  聴診器をお持ちでない方には、貸出があります。また、愛知学院大学薬学部卒業生の方は、参加費が半額になります。

2017年05月19日

▶第64回健康コラム『~n-3系脂肪酸~』

今回は『n-3系脂肪酸』についてです。n-3系脂肪酸は中性脂肪やコレステロールの改善をはじめ、その他様々なメリットがあります。患者さんとのコミュニケーションに是非お役立て下さい♪

2017年05月17日

気になる研修・突撃レポート!!(3/24 宮崎)

ファーマジョイ東海の宮崎です。 気になる研修・突撃レポート第6弾!! 今回は、3/24~3/27に行われた日本薬学会・第137年会のリポートです。 中でも「現場で生かす薬物相互作用の知識」というシンポジウムが印象的でした! 新たな気づきを得るためにも、今後も積極的にセミナー・研修に参加していきたいです!

2017年04月20日

気になる研修・突撃レポート!!(3/5 羽田野)

ファーマジョイ東海の羽田野です。 気になる研修・突撃レポート第5弾!! 今回は、「サプリメントを活用した栄養摂取の方法」について学んできました。 近年ではサプリメントも気軽に購入できるようになり、その存在も大きくなりつつあります。 患者様のサプリメント類の適切な選択と使用支援に係わっていけたら…と思うようになりました!

2017年04月05日

▶第63回健康コラム『~アサリを使ったスープ~』

今回は『アサリを使ったスープ』のレシピをご紹介致します!アサリには鉄分、造血作用のあるビタミンB、コレステロールの排除や動脈硬化予防に有効なタウリンなどが豊富に含まれています。患者さんとのコミュニケーションに是非お役立て下さい♪

2017年03月28日

気になる研修・突撃リポート!!(2/19 市倉)

こんにちは、ファーマジョイ東海の市倉です。 皆さん、口と肛門の細菌数はほぼ同じ事を知っていますか? 歯周ポケットの面積は大人の手のひらくらいの面積があるんです! その歯周ポケットの炎症が全身に多くの影響を与えることが研究で徐々に明らかになってきています。 口腔ケア・摂食嚥下障害に薬剤師がどのように関わっていくか?深く考えさせられた1日でした!

2017年03月08日

▶第62回健康コラム『ユニバーサルデザインフード ~噛み難い、飲み込み難い時の食品の選び方~』

在宅療養している高齢者のケアで重要なことの一つに、「食事」があります。 高齢者の食事に対する特性を踏まえて調理し、食事を用意することが理想ではありますが、在宅療養患者を抱えた家庭で、全て対応した食事を作りことはなかなか困難なことです。そこで、活用して頂きたいのが今回ご紹介する「ユニバーサルフード」です。 これからの薬局では、こういった食品があることも踏まえて、患者さんやご家族に、食事についても適切なアドバイスを行っていくことが求められていくと考えます。

2017年03月05日

薬剤師のためのスキルアップセミナー in名古屋

今年度のセミナー第4回目は、管理栄養士の先生より、積極的にサプリメントを活用して効果的に栄養を摂取する方法ついてご指導頂きます。これからの薬剤師は、薬剤のことだけでなく、患者の栄養状態をアセスメントする方法を身につけ、在宅療養患者の栄養状態について、医師や管理栄養士との連携を図っていくことが求められます。 地域の中で、より一層頼りにされる薬局・薬剤師になる一助として頂くために、是非この機会にご受講頂ける事を、心よりお待ち申し上げます。